2009年07月05日

リュウミンやヒラギノ明朝の違いは「書体」の違いではない

リュウミンとかヒラギノ明朝などのフォントの違いを「書体」の違いと書いてあるのを見かけるがそれはおかしいのではないだろうか。
楷書、行書、ゴシック、明朝とかの分類が「書体」の分類であって、リュウミンやヒラギノ明朝は明朝体という同じ書体である。
リュウミンやヒラギノ明朝というのは「書体」の下の階層の分類である。

ヒョウは
「動物界・脊索動物門・哺乳綱・ネコ目・ネコ科・ヒョウ属」
に分類される。

それならばリュウミンは
「図形界・文字門・表意文字綱・漢字目・明朝体科・リュウミン属」
に分類される。
この場合「明朝体科」の「○○○科」に対応するのが「書体」だとすれば、「リュウミン属」の「○○○属」に対応するのは「書体」ではなく「書風」だと思う。

たぶん昔は印刷所には「明朝」といえば1種類の明朝、「ゴシック」といえば1種類のゴシックしかなかったので、書体の下の階層の分類がなかったのだろうけど、書体の下にバリエーションができてもその分類名をいう言葉がなかったために〈書体〉といってしまったのだと思う。
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2009年06月30日

清水金之助さんの動画

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金属種字彫刻士・清水金之助さんの実演会の動画です。
(2009年6月28日)
動画は73MBあります。
〈動画を見る〉
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2009年06月27日

『図書新聞』拙著『文字の骨組み』の書評

『図書新聞』(第2924号 2009年07月04日号)に拙著『文字の骨組み』の書評が載りました。
評者は小池和夫さんです。

同じ頁に小宮山博史さんの『日本語活字ものがたり』の書評もあります。

 
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2009年06月25日

TrueType フォントパーフェクトコレクション(CDROM付)

Bitstream社製の欧文TrueTypeフォント、PostScript(Type1)フォントを500種収録しています。
WindowsとMacintoshに対応しています。

ただし商標上の理由でフォント名が違います。
〈フォント名が違う例〉
Bembo→Aidine 401
Times Roman→Dutch 801
Gill Sans→Humanist 521
Frutiger→Humanist 777
Helvetica→Swiss 721
Univers→Zirich
(Optimaは収録されていないようです)

なお、この本の初版から改訂3版には

フーツラという書体はバウハウスの影響を受けたデザインで、ドイツをイメージさせるといわれています。ユダヤ系の人たちが公用文書にフーツラを使うことがないのは、やはり1920年代の後半に生まれたこの書体が、ファシズムの時代を連想させてしまうからのようです。

という記述がありますが、この記述は誤りで改訂4版では該当部分の解説を削除し、お詫びを入れてあるそうです。
そのいきさつについては「Futura(フーツラ)はユダヤ企業に嫌われている?」の記事およびコメントをご覧下さい。

ビットストリーム社
ビットストリーム(Bitstream, NASDAQ:BITS)はアメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジを本拠とするフォント製作会社である。1981年にマシュー・カーターとマイク・パーカーらによって創立された。商標上の理由により別名の下で「古典」フォントのライブラリーを構築し、それに加えて自身でも数々のフォントを開発してきた。(Wikipediaより)

お金があればライノタイプ社のFrutiger NextOptima Novaは欲しいですけどね。

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2009年06月24日

最後の活字種字地金彫刻師・清水金之助個展

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最後の活字種字地金彫刻師・清水金之助氏(87歳)が、個展を開きます。
活字地金彫刻の展示と実演を行います。
マッチ棒よりも小さな金属に、下書きもなしに鏡文字で明朝体を彫る神業をぜひご覧下さい。

日時:2009年6月28日(日)13:30〜16:00
(ご都合の良いお時間にお越しください)

入場料:2,000円(予約不要。当日受付にてお支払いください)

場所:大田文化の森 4F
東京都大田区中央二丁目10番1号

交通:
・JR京浜東北線大森駅西口から東急バス池上方面行き
(蒲田駅、池上駅、洗足池行等)で大田文化の森バス停下車徒歩約1分
・ 東急池上線池上駅から東急バス大森方面
(大森駅、大井町、品川駅行等)で大田文化の森バス停下車徒歩約1分

主催:清水金之助

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2009年06月18日

書き順と字体の密接な関係

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「印」の偏の縦線は明朝体でも教科書体でも下に出る。

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「北」では明朝体は縦線が下に出るが教科書体では出ない。

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伝統的な楷書では「印」の偏の縦線が下に出ない。

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学校で教わる「印」の書き順はこうなっている。

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学校で教わる書き順でボクも書いてみたが、これだと縦線が下に出る。

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伝統的行書で書き順を確認してみた。

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伝統的楷書や行書ではこのような書き順になっているようである。
しかも一画目の線の方向も左から右に書く。
この書き順で書けば、「印」の偏の縦線は下に出ない。
学校で教えている「印」は字体も書き順もともに手書きの文字としては一般的ではない。

書き順と字体との間には密接な関係がある。

「北」の教科書体が手書きの文字として一般的な字体なのは、教えている書き順が手書きの文字として一般的だからだ。
もし「状」の偏と同じような書き順で書けば明朝体の「北」と同じような字体になるはずである。

なお、「印」の最終画は止めても止めなくても良いのは言うまでもない。
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2009年06月14日

『漢字整理案』「許容体案」14頁 文部省普通学務局 大正8年7月

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「処」は「處」の略字ではない。金文の時代からある異体字である。『説文解字』にも両方の字体が載っている。
隷書の時代には石碑にはほとんど「處」が書かれ、「処」はわずかに馬王堆帛書に手書きで残っている。
日本での「処」の使用例は、江戸時代の『大日本永代節用無尽蔵』に1例載っているだけで、「HNG(漢字字体規範データベース)」には1例もない。

「号」は「悲しんで激しく泣く」ことで、のちにこれに「虎」を加えて「大声で叫ぶ」意味をあらわす。つまり「号」と「號」は意味がたいへん良く似た別の字だったが、楷書の時代には既に混用され現在に至っている。

「蚕」は日本でできた字とおもわれる。10世紀には上部が「天天」と天を2つ書いた字体が現れる。江戸時代には「蚕」の字体が頻繁に使われるようになる。
posted by トナン at 14:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月13日

江守賢治さんからの葉書

ボクが字体を調べるきっかけになった名著『解説字体辞典』の著者・江守賢治さんから、拙著『文字の骨組み』についての感想の葉書をいただきました。

……私が目標にしていた本でありながら私にはやはり出来なかったものを作りあげて下さった……私も安心しました.わが国の漢字もよい方向に立ち戻ることの第一歩の本になりました

褒めすぎです。ただただ恐縮しています。

 
posted by トナン at 15:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『本の雑誌』7月号に書評が

『本の雑誌』7月号(313号)の「新刊めったくたガイド」に『文字の骨組み』の書評が載っている、と友人から連絡をもらいました。
書評を書いてくださった金子のぶおさん、連絡をくださった湯浅さん、ありがとうございました。

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2009年06月12日

『漢字整理案』「許容体案」13頁 文部省普通学務局 大正8年7月

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「欠」はもともと別の字だが江戸時代には混同されている。

「続」は「續」の草書をさらに略した字。

「聡」は『干禄字書』に通としてとりあげられている字。

「脇」は同じもの3つを略す書き方。「澁(渋)」「塁」と同様。

「胆」は「タン」という音の「旦」を仮借した字。

「与」は「與」の略字ではなく『説文解字』にも載っている字体。

「臼」をくずして書いた形が「旧」で、古くは「臼」を「旧」の字体で書いていたが、江戸時代に「舊」の略字として「旧」が書かれるようになり、「旧」の形で書かれていた「臼」は「臼」の字体に戻った。「旧」は「縦線+日」ではなく「縦線+縦線+ヨ」であって「縦線+縦線」は「ヨ」の左右反対の形をくずしたもの。
http://tonan.seesaa.net/article/121154438.html
posted by トナン at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする