
【干】上代から江戸期は縦線をハネて「于」の字体に書くことがある。また、平安の元暦萬葉では1画目を右から書き「千」の字体になることがある。
【平】2つの点を「ソ」の形と「ハ」の形にするものの2種類がある。
【年】異体字に「秊」があり、「秊」が説文解字に合致する字体。干禄字書も「秊」を〈正〉とする。どの線を長くするかは字体を考える上で大切な問題だが、「年」では、@上から2番目の横線を長くする、A上から3番目の横線を長くする、B縦線を長くするのB種類の字体がある。隷書ではAとBだけで@は見当たらない。行書や楷書では@とAだけで、Bが見当たらない。
【幸】中国でも日本でも横線が1本多い字体が散見される。
【幹】「幹」は説文に不録だが「榦」は掲載されている。「幹」と「榦」は異体字とされるが、大徐は別字と考えているようだ。「幹」は現代中国の簡体字では「干」と表記するが、「干」と「幹」の使い分けに困らないのだろうか。