2022年08月09日

文部省『筆順指導の手びき』の広告

友人から『筆順指導の手びき』をいただいた。
お父さんの蔵書だったらしい。

本自体も貴重だが、本に挟まっていた広告がまた貴重だ。

筆順指導の手びき・広告.JPG

以下が広告の全文。

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全生徒、全学生、全教育者に贈る
初中等教育課 沖山光 担当
筆順指導の手びき
A5判 一二〇頁
定価 三五円
送料 一〇円
昭和二十三年当用漢字字体が発表されて以来、その筆順については必ずしも統一されていなかった。此の指導上の不統一を解決する為めに斯界の学識経験者、大学教授、指導主事、現職校長先生による協議の結果得たる案にもとづき、文部省が贈る筆順統一の決定版。
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この広告でわかるのは、
1)担当者が初中等教育課の沖山光という人だということ。本の中には担当者の名前は書かれていない。
2)「筆順については必ずしも統一されていなかった」「文部省が贈る筆順統一の決定版」と筆順を統一したとされていること。これは「まえがき」にも書かれていいる。「1. 本書のねらい」には「もちろん,本書に示される筆順は,学習指導上に混乱を来たさないようにとの配慮から定められたものであって,そのことは,ここに取りあげなかった筆順についても,これを誤りとするものではなく,また否定しようとするものでもない」と書いているが、本心は筆順を「統一」したかったのだろう。

筆順指導の手びき・表紙.JPG


posted by トナン at 18:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする