2023年05月07日

字体変遷字典 【戸】戻所扇【手】手才


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【戻】1981年3月23日に常用漢字になった字。旧字体は「戾」。説文解字にも康煕字典にも「戾」とは別字種として「戻」があり紛らわしい。つまり「戾」の新字体の「戻」が別字種の「戻」と字体衝突したわけ。中国、台湾、香港はともに下部が「犬」だが、別字種との字体衝突を避けるために日本でも下部を「犬」にしておくべきだったとおもう。漱石は同じ意味で下部が「大」と「犬」の両方の字体を書いておりたいへん興味深い。

【房】居延漢簡は「方」が右にずれて「所」と間違えそうな字形。九成宮醴泉銘は珍しい字体で他にこのような字体は見えない。太宰治は手書きにはめずらしい字体を書いている。

【手】説文解字と五経文字には才部に分類されているが、康煕字典では手部にある。カタカナの「オ」の形に書く場合も多い。
posted by トナン at 16:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 字体変遷字典(大熊肇試作) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする