2023年08月20日

夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿014

夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。
※仮名遣いは現代仮名遣いにします。

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「腰を卸して」

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現代なら「腰を下ろして」と書くものを「腰を卸して」としている。
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夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿013

夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。
※仮名遣いは現代仮名遣いにします。

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「夫から」

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「それから」を「夫から」としている。
漱石は「それ」と書く場合と「夫」と書く場合があり統一されていない。


「迠」

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「迠」を「迄」の異体字として使っている。
なお、活字では二点しんにょうの字体しかないが、漱石は点を省略したり一点しんにょうにしている。
posted by トナン at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿011

夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。
※仮名遣いは現代仮名遣いにします。

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「隠し勝」

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現代なら「隠しがち」とするところを「隠し勝」としている。

「護謨製の頭巾」

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「ゴム」を「護謨」としている。
posted by トナン at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿006

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夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。
※仮名遣いは現代仮名遣いにします。


「這入りに」

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現代なら「入りに」とするところを「這入りに」としている。

「有たない」

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現代なら「持たない」と書くところを「有たない」とし、ルビを振っている。


「斯ういう」

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現代なら「こういう」と書くところを「斯ういう」としている。
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夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿005

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夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。


「其所此所」

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現代なら「そこここ」または「其処此処(其處此處)」と書くところを「其所此所」としている。
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夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿002

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夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。


「端書」

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現代なら「葉書」と表記するところを漱石は「端書」と書き、ルビを振っている。


「所が」

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現代なら「ところが」と書くところを「所が」としている。
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夏目漱石の文字遣い 『こころ』手書き原稿001

夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。

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「其」

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現代なら「その」とひらがなで表記するところを漱石は「其」と書く。


「此所」

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現代なら「ここ」と表記するところ。もし漢字で書くなら「此処」または旧字体で「此處」とするが、漱石は「此所」と書き、しかもルビを振る。


「丈」

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現代なら「だけ」とひらがなで書くところを、漱石は「丈」と漢字を書く。


「是」

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現代なら「これ」とひらがなで書くところを、漱石は「是」と書く。
posted by トナン at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする