2009年06月03日

平凡社の社名表記

heibonsha-mincho.jpg

平凡社の社名は多くの場合このような字体で、書体は明朝体で印刷されることが多いようです。
「平」の点が「ソ」の形ではなく「ハ」の形です。

hei-kouki.jpg

このように『康煕字典』と同じ字体です。
ということは康煕字典の字体で表記することに拘っているのかというと、そうでもありません。

sha-kouki.jpg

「社」は『康煕字典』ではこのような字体ですから、「平」の点の形だけに拘っているようなのです。

heibonsha-kaisho.jpg

平凡社から出版された本に上のようなものを発見して驚きました。
何に驚いたかというと、「平」の点が「ソ」の形ではなく「ハ」の形なんです。楷書なのに。

hei-sekkei.jpg

楷書では、正字体を使っているはずの『開成石経』でも「ソ」の形です。

hei-kaisho1.jpg

通用体の楷書では上のように「ソ」の形になるか、または

hei-kaisho2.jpg

このように「不」のような形になります。
これは「ハ」の形とはちょっと違います。
つまり楷書で印刷された平凡社の「平」は、およそ使われたことがない字なのです。
ここまで「平」の点の形に拘るのは何か理由があるのでしょうか。
たとえば点が「ソ」だと尻すぼみだけど、「ハ」だと末広がりで縁起が良いとか。
posted by トナン at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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