2009年06月09日
「臼」が「旧」になるまで
拙著「文字の骨組み」の314頁に書いたので、繰り返しになりますが、このように「臼」をくずしていった形が「旧」になります。
「臼」がつく文字の「臼」の部分を「旧」の形で書いていました。
「舊」の「臼」の部分も「旧」で書いていたのですが、江戸時代になるとその一部をとって「舊」の略字として「旧」を書くようになり、「旧」の字体で書いていた「臼」は「臼」の形に戻りました。
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ご多忙中失礼します。
旧字体の「舊」の字について悩んでおり、こちらのブログに辿り着きました。
「舊」⇒「旧」への過程で、草冠と鳥の部分を略し、「臼」一文字で「旧い」と表していた時期や可能性
や、文章での使用例は無いのであろうか?と言う事であります。
例えば、「私の鞄は、キミのより臼い(ふるい)」、「この定義はもはや、臼式(旧式)だ」と言った用例であります。
また「舊」は「臼」の部分が「旧」にくずして書かれ、次いで、上の草冠と鳥が省かれ、「旧」一文字になったのか、「舊」から草冠と鳥の部分が省略され、「臼」のみとなり、次いでこの字を崩して、現在の「旧」となったのでありましょうか?
ご多忙中恐れ入ります、ご回答いただけましたら幸いです。
「臼(ふる)い」とか「臼(きゅう)式」という使い方はなかったとおもいます。
もとはあくまでも「臼」を「旧」と書くことがあったということです。
「舊」を「旧」と書いていたわけではありません。
「臼」をくずすと「旧」になるのです。
「旧」になったから「臼」は書かれなかったというわけでもありません。
「臼」とも書くし「旧」とも書く時代が長く続きました。
「臼」をくずすと「旧」になるのですから、「舊」をくずすと「𦾔(舊の下部が旧の字体)」になります。
「舊」とも「𦾔(舊の下部が旧の字体)」とも書く時代が長くつづきました。
江戸時代になると「𦾔(舊の下部が旧の字体)」を略して「旧」と書くようになりました。
でも「舊」を略して「臼」と書く例は今のところみかけません。
「𦾔(舊の下部が旧の字体)」を略して「旧」と書くようになると、「臼」を略した「旧」と字体衝突をおこし、「臼」を略した「旧」は使われなくなったようです。