2010年02月19日

号数サイズシステムは七号を汎用ルビとして作られたものではないだろうか?


〈2010/9/27訂正始め〉


日本の号数サイズには旧・新があり、下の図の「本木昌造が作った号数活字のサイズ」に記したサイズは昭和37年にJISが整備した新しいサイズでした。
美華書館、旧号数、新号数活字のサイズは下記のとおりです。
(初号、二号、五号、七号には旧・新の差はありません)

            初号=14.76mm
美華書館一号=8.65mm 旧一号=9.665mm 新一号=9.224mm
美華書館二号=7.61mm  二号=7.379mm
美華書館三号=5.60mm 旧三号=5.622mm 新三号=5.535mm
美華書館四号=4.85mm 旧四号=4.832mm 新四号=4.612mm
美華書館五号=3.72mm  五号=3.690mm
美華書館六号=2.80mm 旧六号=2.811mm 新六号=2.767mm
            七号=1.845mm
           旧八号=1.406mm 新八号=1.384mm

サイズが大きく変わっているのは、美華書館の一号と日本の一号です。
新旧のサイズは微調整です。
旧・新とも、四号の2分の大きさが用意されていないことにかわりはありません。


〈2010/9/27訂正終わり〉

この活字は秀英三号?」でお尋ねしたものは四号でした。

gousuu01.jpg

ルビは2分よりもちょっと小さい。

gousuu02.jpg

それもそのはずで,号数サイズには四号の2分のサイズは用意されていない。
だから2分よりもちょっと小さい七号を使ったのか。
ちょっと待て。ではなぜ四号の2分のサイズを作らなかったのだろうか。

gousuu03.jpg

上海の美華書館から活字を導入したとき,美華書館で使っていた活字は壱号から六号までの6種類だった。
二号と五号,三号と六号は2倍の関係だが壱号と四号は2倍ではない。

gousuu04.jpg

だから壱号を大きくして四号の2倍の大きさにした。
さらに二号の2倍の大きさの初号と五号の半分の大きさの七号,六号の半分の大きさの八号を新設した。

gousuu05.jpg

号数のサイズの調整はそれだけだと思っていたのだが,実は二号から六号も微調整している。それはなぜなのか。
七号を基準に各サイズを見てみると,

初号は七号の8倍。
壱号は七号の5倍。
二号は七号の4倍。
三号は七号の3倍。
四号は七号の2.5倍。
五号は七号の2倍。

になる。
つまり,七号を振り仮名の標準として新設し,七号を元に各サイズを七号の整数倍になるようにサイズを調整したのではないだろうか。
四号だけは七号の2.5倍だが,四号に七号のルビを2字入れる場合は,肩付きならルビの下に2分の込め物を入れれば済むし,中付きでも前後に4分の込め物を入れれば済む。親文字が2字ならルビがピッタリ5文字入る。
つまり,2分ルビなどというルールはなかったのではないだろうか。
七号は現在のアメリカンポイント換算では約5.25ポイントだが,美華書館のポイント換算では約5.5ポイント,つまりイギリスでいう「ルビー」という活字サイズにあたる。
posted by トナン at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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