2010年03月07日

教育漢字 についての私見(6)

100307-1.png

学指導要領の上位規格の常用漢字表の前文でわざわざことわっているのだから,教師ははねる・はねないで採点することはあってはならない。

100307-2.png

伝統的な楷書と弘道軒清朝体の字体が同じなので,弘道軒清朝体を用いて表示した。
伝統的な楷書では酒の旁「酉」の縦線は曲げず,その代わりに横線が1本多くなる。

100307-3.png

伝統的な楷書では「木」の縦線ははねる。

100307-4.png

「木」を含む伝統的な楷書では「木」は「ホ」の形になる。左右に伸ばすのは1字に1箇所で,左右に伸ばす場所は多くの場合「木」ではないからである。
「案」の場合,左右に伸ばすのは「女」の横線。うかんむり,木の横線,木の左右のハライは左右に伸ばさずにガマンするのが伝統的な手書き文字の伝統。教育漢字の「案」は手書きの文字の手本には適していない。

100307-5.png

伝統的な楷書の「来」は常用漢字と同じ字体だが,縦線をはねることが多い。はねなくてももちろんかまわない。
手書きの楷書や行書で,いわゆる康煕字典体の字体を書くことは歴史的にはあまりない。
伝統的な楷書と弘道軒清朝体の字体が同じなので,弘道軒清朝体を用いて表示した。

100307-6.png

伝統的な楷書の「糸」は縦線をはねることが多い。はねなくてももちろんかまわない。「糸」は「絲」の代用字で本来は別の字。「絲」は常用漢字ではないので学参フォントにはない。伝統的な楷書は6つの点を4つに略す。弘道軒清朝体は初唐の楷書ではなく,王羲之の字体を参考にしているのかもしれない。

100307-7.png

伝統的な楷書では「うしへん」の縦線ももちろんはねる。はねなくても間違いではない。

100307-8.png

伝統的な楷書では「てへん」の縦線ももちろんはねる。はねなくても間違いではない。

100307-9.png

伝統的な楷書では縦線ははねないことが多いが,はねても間違いではない。伝統的な楷書では「口」は「ム」の形になることが多い。
posted by トナン at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック