2010年06月18日

『字体変遷字典』(仮)一丁七丈三上下不与

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【七】「十」と字体衝突し、漢代に字体を変更する。明朝体で最終画を上にはねるのはなぜだろう。上にはねた後に何を書くつもりなのだろう。
【丈】「支」と字体衝突し、漢代に字体を変更する。太宰治『人間失格』に3回出現するが、すべて点のある「𠀋」を使用。点のない「丈」は不使用。
【万】「萬」「卍」とは別字だが通じる。夏目漱石は「萬」を多く使い、『坊っちやん』で「万」の使用は「廿五万石」の1例だけ。太宰治も「萬」を多く使い、『人間失格』で「万」の使用は「万一」の1例だけ。
【与】漢和字典の多くは「一」部の2画にしているが、康煕字典では「一」部の3画に、納得できない字体が載っている。「与」と「與」は紀元前から両方とも使われている異体字。「与」の最終画は江戸時代には右にはみだす、現在の常用漢字と同じ形で使われている。漱石は不思議な字体を書いている。文部省活字、当用漢字表には「与」はない。太宰は「与」の字体は書かない。
posted by トナン at 20:57| Comment(9) | TrackBack(0) | 字体変遷字典(大熊肇試作) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「与」の項に「與」の行があるのに、「万」も項に「萬」の行がないのはなぜでしょう。もし、「萬」を艸部の別項で扱うというのであれば、「與」も臼部で扱うべきだと思います。
Posted by 小駒 at 2010年07月26日 11:14
小駒さま。コメントありがとうございます。
「与」は「與」の略字なので一緒にしましたが、「万」は「萬」の略字ではなく、別の字なので一緒にしませんでした。
「万」と「萬」を一緒にすれば「卍」も一緒にしなければなりません。
「竜」と「龍」は異体字なので一緒にするつもりです。
Posted by 大熊図南 at 2010年07月26日 14:44
普通、漢和辞典では萬と万は異体字という扱いにしていると思います。
異体字か別字かはどうやって区別しているのでしょうか。
中国では「万俟」という複姓があるため別字扱いにしていることがありますが、これが理由でしょうか。
Posted by 小駒 at 2010年08月04日 12:37
>普通、漢和辞典では萬と万は異体字という扱いにしていると思います。

書道字典では別にしてます。

「与」の字体変遷を調べれば「與」が、「與」の字体変遷を調べれば「与」が変遷の中に自然に登場しますから、別にすることができません。

「万」の字体変遷を調べても「萬」はでてきませんし、「萬」の字体変遷を調べても「万」は出てきません。

漢和字典はその漢字の使われ方を示し、書道字典はその漢字の字体、字形を示すものだとすれば、分類の方法も変わるのだと思います。
Posted by 大熊肇 at 2010年08月04日 15:35
横から失礼しますが、漢和辞典でも「大字典」には次のようにあって、明確です。

(字源)西域にて萬の數
 を表すに卍を用ふ
 此卍支那に入り變じて
 万となり、萬の數を表
 はす。萬の俗字にあら
 ず。

ここまではっきりしなくても、もともと別字であると書いてある漢和辞典はいくつもあります。
Posted by 葛の葉 at 2010年08月04日 17:56
「万」と「萬」が同じ字だという資料があれば、ぜひ一緒にしたいのです。
たとえば「萬」を略すと「万」になるとか。
現状ではちょっと資料不足です。

『新潮日本語漢字辞典』では《一説に、「万」は別字で、浮き草の象形》となっているのですね。
これは誰の説ですか。
Posted by 大熊肇 at 2010年08月05日 00:25
『新潮日本語漢字辞典』は、字源については白川静説によると明記しているそうですが、「浮き草の象形」説は、古く角川漢和中辞典にも(あたかも当然のことのように)載っています。
しかし、卍説であれ、浮き草説であれ、「万」と「萬」が別の文字なのは明らかで、逆に「萬」を略して「万」になったようなことが書いてある漢和辞典は皆無と思います。
Posted by 葛の葉 at 2010年08月08日 15:27
何度も済みませんが、「万」と「萬」が別字という所だけに気を取られて、「与」と「與」の方は検討していませんでした。
これも、部品として共通であるものの、やはり別字と考えるべきではないでしょうか。説文解字でもすでに別字として出ているわけですし。
書道字典(二玄社の小型のものしか持っていませんが)でも別に扱っています。
Posted by 葛の葉 at 2010年08月09日 17:27
葛の葉さん、ご指摘感謝。

二玄社の『新書道字典』では別になっているんですが、同じ二玄社の『新書源』は一緒になっているんですよ。
角川の『書道大字典』とそのコンパクト判の『書道字典』、『隷書大字典』は一緒になっています。
『五體字類』、『康煕字典』は別になってます。

迷いますねえ。
どうしよう。
やっぱりご指摘どおり別にしようかな。
Posted by 大熊肇 at 2010年08月09日 18:44
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