2010年07月20日
『字体変遷字典(仮)』丑且丕世丙丞中串丸丹
【丑】「那須國造碑」のように真ん中の横線を短くする書き方もある。これが異体字「丒」になったのだろう。
【世】古くから「世」「〓」「丗」の3つの字体とその亜種が書かれている。説文篆文に最も近いのは真ん中の縦線が下に突き出ている文部省活字の字体。「〓」は九経字様にあるが『康煕字典』では古文になっている。漱石は「世」「丗」2種類の字体を使っている。
【丘】説文では「丘」の下に「土」を加えた字体を古文としている。『康煕字典』では「北」の下に「土」を加えた字体を古文としている。「丘」を「北」と誤ったか。
【丙】行書や楷書では囲まれた空間中で右払いはしない。
【丸】点の位置に注意。『康煕字典』では「凡」に似た字を正字とし、通用字体を俗字としている。漱石は江戸版本と同じ字体を書いている。直井潔「国定教科書に於ける正字俗字一覧表」では「文部省に於いて特に正体を舍てて俗體を取りれたるもの」としている。
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