2010年11月09日

正字よりも複雑な異体字

干禄字書には見慣れない異体字があります。

101109hako1.png

たとえばこういうものです。
左と真ん中は〈俗〉なのに右の字はなぜか〈通〉とされています。

101109hako2.png

正字はこれです。
これがなぜしんにょうみたいになっちゃうのでしょう。

101109hako3.png

ちなみに上の字種の草書はこうなります。

101109hako4.png

しんにょうのある字の草書を3つあげてみました。
草書ではしんにょうは「L」の形になるのです。
上の異体字は「匚=はこがまえ」や「匸=かくしがまえ」の「L」の部分を草書のしんにょうとまちがえてできた字だと考えられます。
つまり「匚=はこがまえ」や「匸=かくしがまえ」が「一+しんにょう」になってしまうのです。

101109hako5.png

これは「匠」の異体字の実例です。
posted by トナン at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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