2011年03月02日
『字体変遷字典』03-5 例侑來俄係侯俊信侵
【來】「人」は早書きすると「亠」の形になる。漢代から通用体が書かれている。漱石も太宰も通用体を書いている。
【係】旁の一画目が略されることあり。節用と弘道軒は旁の一画目を左から右に書いている。
【侯】古代の字は「⼚+矢」で「⺈」は後に加わる。「⺈」の左ハライと「⼚」の縦線が合わさってニンベンになる。「矦」が正字体、「矦」の「矢」が「夫」になった字体が通用体。『陸軍幼年学校用字便覧』では「矦」を〈本字〉としている。
【信】旁の「言」はもともと「辛+口」の形で、「辛」は略されて「立」になる。すると「倍」と字体が衝突する。それで漢代に字体を変更したのだろう。
【侵】説文篆文の字体の旁は「帚+又」なのだが正字体楷書でも「巾」を略している。「又」を「丈」に書く例も多い。
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