2011年04月09日
【字体変遷字典】04-3 倖借修倉値倒
【倖】唐代以前の使用例がみつからない。空海が聾瞽指歸に使っているのが不思議なくらい。*柳公権は顔真卿とともに正字体を使うことがある。旁の「幸」の下部は横線が増えて「羊」になることがある。
【修】古璽の1例目には「彡」がなく、2例目は「攴」ではなく「又」。いずれもニンベンの右に縦線はない。偏は中国の南北朝期以来、「彳」にすることがあり、我が国でも江戸期まで名残がある。旁の上部は「攴」「攵」「夂」の3種があり、後藤朝太郎「教育上より見たる明治の漢字」では、「夂」を標準字、「攵」を許容字とする。説文篆文の字形を素直に楷書や明朝体にすれば「攴」になる。現代中国は「夂」の字体を書く。旁の下部は3点と2点があり、3点では右上から左下に「彡」のように書く、3点目を左上から右下に書き「久」のように書く、3点とも左から右に「三」のように書く、の3種がある。漢から初唐まで「修」と「脩」は通用していたという。
【値】手書きでは旁の「直」に鉤形を書くことはない。江戸では「値」のかわりに「價(価)」または「直」を使う
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