2011年04月20日

【字体変遷字典】04-1 俳倍俵倣俸倫倭偽偶倦


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【俳】楷書(唐代の正字正字を含む)では旁の左側の縦線をはらわずに止める。弘道軒や現代中国の明朝体(宋体)も同様。
【倍】漢代は旁の横線を長くする場所が一定していない。康煕字典では旁の1画目は横線。現代中国では点。
【俵】江戸期よりも古い使用例がみつからない。
【倣】北宋期よりも古い使用例がみつからない。現代中国では「仿」を使う。日本では江戸期よりも古い使用例がみつからない。漱石は草書も使っている。
【倫】旁の縦線が上に出る、出ないの2種の字体がある。説文篆文に倣えば上に出るはずだが、開成石経の字体は出ない。
【偽】漢代の隷書ですでに簡略化されている。弘道軒が正字なのは意外。漢字整理案で旁の4点が線に略されている。現代中国は草書の字体。
【偶】最終の2画に注目。通用体も正字体も楷書では旁を8画で書いているが、康煕字典では9画。説文篆文の字体に倣えば8画になるはずだが、1画増やすのが明朝体の様式なのだろう。ところが楷書の弘道軒や文部省活字も康煕字典に倣って9画にしている。
posted by トナン at 10:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 字体変遷字典(大熊肇試作) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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