2011年12月07日
号数サイズの変遷とルビ
日本の号数活字のサイズです。
なぜか四号の半分のサイズがありません。
アメリカンポイントが決まったのが1886年ですから、美華書館の活字をアメリカンポイントで換算するのはあまり意味がないとおもいます。
美華書館から輸入した号数活字は日本でサイズを整えられました。
昭和2年に、築地活版の宮崎榮太郎がはじめて築地活版の号数活字をアメリカンポイント換算で何ポイントになるか発表します(板倉雅宣『号数活字サイズの謎』Vinette 12 朗文堂より孫引き)。
縦の列は倍数関係がありますが、横は大きさの関係に誤差があります。その誤差をJISが修正したのは昭和37年のことです。
美華書館のサイズと日本で整えられたサイズの比較です。
美華書館では一号から五号が本文用、六号がルビ専用だったのだとおもいます。
〈日本での変更点〉
1)五号よりも小さい活字(三号の半分)をつくり六号とした。
2)美華書館の六号を七号に名称変更した。
3)六号の活字のルビ用に八号をつくった。
4)二号の2倍のサイズの活字をつくり、初号とした。
5)四号の2倍の大きさになるように一号を大きくした。
日本の旧サイズと昭和37年のJISサイズの比較です。
まあ、誤差の範囲の微調整ですね。
真ん中の列を1とすると左の列は1.25、右の列は0.75です。
五号を基準に左右の列を見ると、
左側の四号は、1.25倍、一号は2.5倍
右側の六号は、0.75倍、三号は1.5倍
七号をルビ専用とすると、七号は
初号の8分の1
一号の5分の1
二号の4分の1
三号の3分の1
四号の2.5分の1
五号の2分の1
になります。
4号の半分のサイズがないのは、ルビとしては大きすぎるからだろうとおもいます。
現在の組版でも12ポイント以上の本文に6ポイント以上のルビを使うと大きすぎるので、2分よりも小さなルビを使いますよね。
四号に七号のルビを使った組版では、2字の熟語に5字のルビがぴったり入ります。
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