2012年04月08日
【刀】刑列初判別
【刑】説文より前の時代は偏が「井」で、後漢の隷書の時代までその字体が使われている。
【初】南北朝から誤って示偏が書かれることが多くなる。法華義疏では偏に「禾」を書いている。江戸版本では示偏が圧倒的で、衣偏の使用例がみつからないほど。漱石は示偏を書いている。法輪寺切は示偏だとしてもおかしな字体。
【判】旁の縦線は唐代まではまっすぐに書き、左に流すものではなかったようだ。左に流している例が確認できるのは北宋。日本でも上代ではまっすぐに書いている。康煕字典はまっすぐだが、現代中国の印刷字体は左に流している。日本の印刷字体ではまっすぐなのと左にながす例が半々くらい。文部省活字も当用漢字表も左に流している。
【別】古代の字を見ると偏は「咼−口」で、馬王堆まではその字体を書いている。九経字様では偏が「咼−口」の字体を説文、「別」を隷省としている。偏の下部を「力」とする字体が南北朝時代からあり、我が国でも上代の王勃詩序はその字体を書き、その後もその字体が優勢。現代中国でも偏の下部を「力」とする。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック