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【卿】説文篆文に従えば「卿」になるはずだが、そのような字体は五経文字の他にみつからない。漢代から「卿」を書いており、干禄字書も日本の文部省活字もそれに倣っている。康煕字典は「卿」を採用しているが、「即」の字種では「卽」を採用しており、一貫していない。官板 五経文字の〈石経〉とされている字体には「卩」の中に点があるが、これは誤りではないだろうか。『五體字類』(3版)では「卩」の中の点を省いている。
【厄】五経文字の親字ではなく説明にこの字が使われている。
【厘】「厘」「廛」「釐」が同字種の異体字なのか、別字なのか。古代には「厘」にあたる字体は見えない。王羲之が宋搨祖石絳帖で草書の「釐」を書いているが、字体は「厘」のようなので、「釐」の草書から「厘」ができたと考えることもできる。北魏では「廛」の字種に「土+厘」を書いたり、「厘」を書いたりしている。官板干禄字書では「厘」と「廛」を同字種、「釐」は別字としている。康煕字典は「厘」の項に「俗作釐省非」とある。漢字要覧では「物ノ数量ヲ記スル時ニ限リテ、別體ヲ用ヰルモ妨ナシ」とし「厘」は「釐」の異体字の特別な用法とする。明治の漢字もは「厘」を「釐」の許容とする。陸軍幼年学校用事便覧は「實ハ別字」とする。

