2013年08月05日
「呈」と「口+ノ+土」
「呈」と「口+ノ+土」は異体字。
説文に従えば「口+ノ+土」が正字体。
唐代の正字体は見えないが、康煕字典では「口+ノ+土」を採用。
慣用字体の中国での使用例は「口+ノ+土」が優勢だが、日本では「呈」が優勢。
これは上代に伝わった字体が「呈」だったからではないだろうか。
明朝体の字体は康煕字典以来、正字体の「口+ノ+土」だが下部が「ノ+土」のものと「ノ+士」のものがある。
当用漢字字体表は、現代に近い時代に手書きで書かれてきた字体を採用する傾向があり、中国は歴史的に書かれてきた字体を採用する傾向があるように感じる。
とすれば、中国は「口+ノ+土」を採用して、日本が「呈」を採用するはずだが、両国とも「呈」を採用している。
なお、『陸軍幼年学校用字便覧』では「口+ノ+土」と「呈」を「元は別字」とする。
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