2013年08月06日

「呑」と「吞」


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「呑」と「吞」は異体字。説文も、中国や日本の慣用字体もほとんど「吞」を使っているのに、使われていない「呑」がJIS第一水準にある。
使われてきた「吞」はJIS第三水準にある。
なお、人名に使えるのは人名用漢字の「吞」で、「呑」はJIS第一水準ではあるが、常用漢字でも人名用漢字でもないので人名には使えない。
posted by トナン at 19:41| Comment(7) | TrackBack(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
JIS漢字がなぜ「呑」になったのか、『明朝体活字字形一覧』を見れば理由がわかります。日本の鉛活字はほとんどが「呑」だったのでした。
『明朝体活字字形一覧』の『大漢和辞典』の項を見て驚きました。鉛活字の字ばかりでなく、『大漢和辞典』の字まで「呑」になっているのです。びっくりして、引いてみると、『大漢和辞典』だけはさすがに上部が「天」でした。『明朝体活字字形一覧』にまんまと一杯食わされました。
ヒントは、『明朝体活字字形一覧』につけられた大漢和番号にありました。『明朝体活字字形一覧』所収の『大漢和辞典』の字は、索引巻に載っている俗字だったのでした。
Posted by 小駒 at 2013年09月12日 19:31
『明朝体活字字形一覧』の『大漢和辞典』の項は間違いということですね。
Posted by ( ´_ゝ`) 大熊肇 at 2013年09月12日 20:03
「呑」も『大漢和辞典』索引巻にはたしかに載っていますから、間違いとまでは言えませんが、誤解を生みやすいことは確かですね。ここは、第2巻にある大漢和番号3329の字を載せておくべきでした。
Posted by 小駒 at 2013年09月13日 13:23
そもそも『大漢和辞典』索引巻の字体がおかしいのですね。
Posted by ( ´_ゝ`) 大熊肇 at 2013年09月13日 13:40
「索引巻」といっても「索引」に出ているわけではありません。
「索引巻」に出ている「呑」は「補遺」に出ている検字番号48970の字です。
この「補遺」には『大漢和辞典』本文の親字としては出ていないが、本文中に使われている字を一括して並べてあります。【呑】の字の下には「ドン 吞(2−3329)の俗字。」とだけ書かれています。
本文の第2巻の【吞】の項に「参考 字形、吞と書くべきを俗に呑に作る」という注記があり、ここに「呑」の字が一箇所だけ使われています。
つまり、『大漢和辞典』は俗字として「呑」が使われている、と書いているのですが、『明朝活字字形一覧』は、活字の字形と同じ俗字のほうを、『大漢和辞典』の字形として採ってしまったのです。
 
Posted by 小駒 at 2013年09月13日 14:22
ということはやっぱり『明朝活字字形一覧』が間違えてるような……
Posted by ( ´_ゝ`) 大熊肇 at 2013年09月13日 15:36
認めたくないのは分かりますが……^^;
Posted by 波瀾万丈の日々を送った後、印刷文字に興味を持つ。 at 2022年06月07日 03:33
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