2013年08月06日

字体変遷字典 【口】告吹呈呑否吻


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【呈】「呈」と「口+ノ+土」は異体字。説文に従えば「口+ノ+土」が正字体。
唐代の正字体は見えないが、康煕字典では「口+ノ+土」を採用。
慣用字体の中国での使用例は「口+ノ+土」が優勢だが、日本では「呈」が優勢。
これは上代に伝わった字体が「呈」だったからではないだろうか。
明朝体の字体は康煕字典以来、正字体の「呈」だが下部が「ノ+土」のものと「ノ+士」のものがある。
当用漢字字体表は、現代に近い時代に手書きで書かれてきた字体を採用する傾向があり、中国は歴史的に使われてきた字体を採用する傾向があると思う。
中国が俗体と思われる字体を採用しているのはめずらしい。
なお、『陸軍幼年学校用字便覧』では「口+ノ+土」と「呈」を「元は別字」とする。

【呑】「呑」と「吞」は異体字。説文も、中国や日本の慣用字体もほとんど「吞」を使っているのに、使われていない「呑」をJIS第一水準に「吞」を第三水準にしているのは不思議だ。
なお、人名に使えるのは人名用漢字の「吞」で、「呑」はJIS第一水準ではあるが、常用漢字でも人名用漢字でもないので人名には使えない。
posted by トナン at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 字体変遷字典(大熊肇試作) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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