夏目漱石の『こころ』の手書き原稿の復刻版(岩波書店)を手に入れて、字体を検証しているところなのですが、漱石独特の文字遣いも興味深いので、気がついたものをアップします。
「其」
現代なら「その」とひらがなで表記するところを漱石は「其」と書く。
「此所」
現代なら「ここ」と表記するところ。もし漢字で書くなら「此処」または旧字体で「此處」とするが、漱石は「此所」と書き、しかもルビを振る。
「丈」
現代なら「だけ」とひらがなで書くところを、漱石は「丈」と漢字を書く。
「是」
現代なら「これ」とひらがなで書くところを、漱石は「是」と書く。
2023年08月20日
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