「齊藤」「斎藤」「斉藤」「齊藤」さんの由来について、さらに補足する。
「斎藤」は、藤原利仁の次男、藤原叙用が斎宮頭になったときに「斎藤」と称したのを起源とするらしい。この説が本当なら、これは10世紀(平安時代中期)のことである。
「斎」は平安時代中期頃に書かれ始めた「齋」の略字だから、この名字ができた頃は、「齋藤」または「斎藤」と書かれていたはずである。ところが江戸時代になるとさらに略されて、「齋・斎」とは別の字種の「斉(齊の略字)」と字体が衝突する。字体だけを見れば、江戸時代には「齋の略字の斉」と「齊の略字の斉」があるのだ。
つまり一般的に考えられている〈「斉藤」の「斉(齊の略字)」は誤字〉というのは正しくなくて、〈「斉藤」の「斉」は「齋」の略字〉であり「斉藤」は間違いではない。
「齊藤」の「齊」は、「齋」の略字である「斉」を、「齊」の略字と勘違いしてできたものだろう。由来から考えれば「齊藤」は正しくない。
※斎宮(さいぐう、さいくうまたはいつきのみや、いわいのみや)は古代から南北朝時代にかけて、伊勢神宮に奉仕した斎王の御所。平安時代以降は賀茂神社の斎王(斎院)と区別するため、斎王のことも指すようになった。伊勢斎王、伊勢斎宮とも称する。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
2007年12月30日
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