2008年04月07日

『不折俳画』上-序3-裏

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【釈文】
ずつと単簡に願いたいなと、我●●らず遠い昔を回●することがある。其時へいと云ってすぐ●てくれるものは俳画である。余は俳画を見る度に単純な昔に返り得た様な心持がする。さ●して其願に云ふべからざる一種のなつかしみを感ずる。
 不折君の技倆に就ては今更●●する●必要がないからわざと略した。ただ不折君が●の大作を●表する余●に散な商品を公けせらるるの労を多とするのみならず、多種多様な
かなり読めないところがあります。
posted by トナン at 01:54| 埼玉 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 不折俳畫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここ何回か出現してゐる「発」と同じものに見えるので「大作を●表する」は「大作を発表する」で良いものと思ひます。――が、何でコレを「発(發)」と読めたのか、文選のヒトはすごいなぁとしみじみ。
「我●●らず遠い昔を回●する」は「我知らず遠い昔を回顧する」?
「すぐ●てくれる」は多分「すぐ出てくれる」、「さ●して其願に」は「さうして」でせうか。
Posted by ウチダアキラ at 2008年04月07日 22:02
ウチダアキラさん。
ありがとうございます。
よく読めますね。すごいなあ。
Posted by at 2008年04月07日 22:51
今回分、投稿します。


ずつと単簡に願ひたいなと、我知らず遠い昔を回顧する事がある。其時へいと云つてすぐ出てくれるものは俳画である。余は俳画を見る度に単純な昔に帰り得た様な心持がする。さうして其所に云ふべからざる一種のなつかしみを感ずる。
 不折君の技倆に就ては今更喋々するの必要がないからわざと略した。たゞ不折君が苦心の大作を発表する余暇に斯様な小品を公けにせらるゝの労を多とするのみならず、多趣多様な
Posted by 待雪 at 2008年04月08日 00:24
ウチダアキラさんの読み、正解ですね。すごいですね。

知の字、あのかたちから平仮名の「ち」になるんですよね。知識では知っていても、実際に目の当たりにすることはついぞなかったので、すごく新鮮に感じます。
Posted by 待雪 at 2008年04月08日 00:35
待雪さん、釈文ありがとうございます。
こういう原稿をもらって、当時の活字の文選工が普通に活字を拾っていたことを思うと、現代人は退化しているんだなあとおもいます。
Posted by 大熊肇(トナン) at 2008年04月08日 04:16
おお、今回は正解でしたか。
前回「発見」がどうしても「夢見」としか見えなかったので、漱石の「発」はかういふ字なのだと強く意識に残りました。
他の部分も、私が読めないところをトナンさんが拾っておいでで、穴埋め問題になってゐるので推測しながら読めたといふ次第です。
ひょっとすると当時の文選作業も、一次担当者が拾ってゲタだらけになってる状態を「漱石係」が穴埋めしていったかも等と思ひました。そんなことをするくらいなら最初から漱石係が担当するかもしれませんが。
Posted by ウチダアキラ at 2008年04月08日 19:39
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