2008年04月26日

字体変遷字典(韻右宇羽雨渦浦運)

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2008年03月14日

字体変遷字典(一壱逸稲芋印員因)

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【一(弌)】「弌」は説文にも康煕字典にも「一」の古文として載っている。それとは別に康煕字典では「弋」の一画からも引くことができる。
【壱(壹)】「壱」は「壹」の行書や草書からできた略字だ。「壱」の字体は説文にも康煕字典にも載っていない。中国常用よりも日本の常用字の方が簡化されている例だ。説文では中に「𠮷」がある。しかも「さむらいよし」ではなく「つちよし」だ。隷書肉筆には表に載せた「亜」を含む字体の他に上記のように「且」を含む字体もある。隷書石碑だと「亜」とも「豆」とも違う不思議な字体になる。
【逸()】字源的にはこの字の旁は「免」ではなく「兔うさぎ」。説文、正字、康煕字典など正字の系統は旁に「兔」を書く。伝統的な字体では「兔」の点を省いて書き、すでに隷書の段階で点を失っている。文部省活字は「兔」ではなく「免」に点をつけた字体。当用漢字と常用漢字は「免」。中国常用は「兔」。正字では点ではなく横線になっている。江戸では点のある字もある。康煕字典のしんにょうは二点。
【稲(稻)】「臼」のパーツを「旧」に書くわけだが、単体の「臼」はそのまま書く。「旧」は「舊・𦾔」の略字。
「のぎへん」の縦線は伝統的にハネる。教科書体ではハネていないが常用漢字表にあるようにハネてもハネなくても良い。教師はハネた「のぎへん」を不正解にしないように注意!
【芋】中国でも日本でもあまり使用例がない字。漢字を書くような特権階級はこの字を書くような文を書かなかったのだろう。江戸になると使用例が増えるのは庶民が字を読み書きするようになったせいだとおもう。現在の中国では「薯」を書く。「芋」は長イモ、「薯」は丸っこいイモのことだそうだ。そういえば馬鈴薯は「薯」を書く。
【印】平安と江戸ではなし点がつくことが多い。江戸に載せた字形は知らないと読めないかもしれない。
【員】字源は説文では貝に従う字としているが、加藤常賢も白川静も鼎に従う字としている。白川静によれば「口」は鼎を上から見た形で口の丸い鼎をあらわしている。円(圓)が丸をあらわすのはそのためだ。伝統的字体では「口」を「△」または「ム」で書く。太宗皇帝でさえ正字の字体は書いていない。
【因】泰山刻石と比べると説文の字体は小篆というより金文に近い。こういうのが説文をもうひとつ信じ切れないところだ。もっとも説文の原本はないのだけれど。四角で囲まれた中の「大」の右払いは少しでも書道をやった人から見ればありえない書き方だ。中国常用では止めている。四角の中の「大」はどうも格好が悪くていろいろ工夫したのだろう。「大」を一八〇度開脚したものが「土」になり、それが「工、ユ、コ」に変化したのだろう。

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2008年02月25日

字体変遷字典(衣違遺医醫井域或育毓)

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【衣】衣服の襟の形でその形から、古代中国では日本の着物とは襟のあわせかたが逆だったことがわかる。
【違】中国常用の旁は草書の字体からできたもの。
【医(醫)】「医」は「醫」の略字で、別字の「医」と字体が衝突した。
【井(丼)】中国では「井」と「丼」は同じ字種の異体字。
【育(毓)】「育」の字体は甲骨文、金文に見えない。

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2008年02月24日

字体変遷字典(意慰易為異移維緯胃)

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「易」の甲骨文、金文は白川静の字書には掲載されてないので、これらの字は「易」ではないのかもしれません。

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2008年02月23日

字体変遷字典(案以位依偉囲委威尉)

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「以」の左側は刃の丸いスキで右側はそれを使う人だっていわれていたんだけど、〈右側はスキの柄ではないか〉というのがぼくの主張です。
詳しくは
http://tonan.seesaa.net/article/35153251.html
をご覧ください。

「尉」というのは衣服または布に手で火のし(アイロン)をかけている形で、説文解字では手は「又」の形なんです。これが後になって点がついて「寸」になったと思っていました。ところが説文よりも古い字でも「寸」なんです。
「寸」というのは手(又)に手首から一寸の位置を示す字とされているのですが、「尉」にある「寸」は一寸という意味ではないと思うのです。

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2008年02月22日

字体変遷字典(亜哀愛悪握圧扱安暗)

ちょっと仕様変更しました。
教科書体をやめて中国常用漢字を表示しました。

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PDFデータ
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2007年05月18日

字体変遷・意〜胃

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【意】説文、正字、康煕字典では、一画目が点ではなく横線になっている。
【慰】康煕字典に「尸+二+火+又+心」の字体が先に載っていて、「慰」を同字としている。「尉」とは扱いが違い不統一である。「慰」の元の字とされる「尉」は、説文よりも古い戦国古璽も睡虎地秦簡も右側は「又(手)」ではなく「寸」である。「寸」は「手(又)」に「一」を加え、脈をはかる位置を示す、というのが字源解釈のほぼ一致した解釈であるが、「尉」が古くから「寸」を含む字であることからすると、「寸」の字源解釈が疑わしくおもえてくる。
【易】「日」の最終画を省略する字体、「日」の最終画を横に伸ばす字体、「日+勿」の字体、「日」の下に横線を加える字体の四つがある。このうち「日」の最終画を省略する字体が書き文字としての最も伝統的な字体。「日+勿」の字体が正字から康煕字典、当用漢字、常用漢字につながる字体である。
 字源解釈では、説文解字は「蜥蜴の形」とし、白川静は「玉から光が降り注ぐ形」としている。甲骨文、金文の字形をみてもどちらにもおもえない。ところで白川静の『字統』『字通』『常用字解』のいずれにも甲骨文、金文の字形がなぜか掲載されていない。白川が自説を有利にするために都合の悪い例を除いたとはおもえないので、これらの字形を別字と判断したのだろうか。
【為】常用漢字の字体は、4世紀ごろには既に使われていて、書き文字としては一般的な字体。康煕字典と当用漢字字体表では「為」の字体を「爪」の部首に分類してあるが、「爪」を略した字体を「爪」で引くのはむずかしい。現在の漢和辞典の多くは、「火」の部首にある。
【異】殷から戦国の字形がどうして説文の字体になるのか理解できない。楷書で「共」の上部が四画になっているのに、九経字様で「田+共」と、伝統的な字体よりも正字の方が簡略化されているという珍しい例。康煕字典では「共」の上部が四画になっている。江戸の字体は「己+大」と認識されていたらしい。
【維】「隹」の伝統的な書き順は、左払いの後に右の点を書き「ク」のようになり、現在の書き順とは違う。「糸」の下部は「小」でも点三つでもよく、正字でもそれに近くなっている。
【緯】説文解字の字体を楷書や明朝体にした場合、旁の三画目は右に出ず、一番下の横線は左にはみださず、文部省活字の字体になるはず。「糸」の下部は「小」でも点三つでもよく、正字でもそれに近くなっている。
【胃】説文の字体では上部は「田」ではないのだが、さすがの康煕字典も「田」にしている。
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2007年05月16日

字体変遷・案〜尉

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【案】この字は横に伸ばしたい衝動にかられるところが四箇所ある。それをどれか一つに抑制して他を狭くするのがバランス良く書くコツ。どれを長くするのかは隷書を参考にすると良い。欧陽詢、行書、平安、江戸とも見事。それに比べて教育漢字は……。
【以】「」と「以」は異体字。「」は、どの字源解説も、刃先の丸いすきの形象、という解釈はほぼ一致している。
 「」に「人」がついて「以」になったとする字書もあるが、睡虎地秦簡や馬王堆の字形を見るとそうはおもえない。刃を下に向けたものが「」。刃を左に向けたものが「以」で柄の部分が「人」になったように見える。
 「」の上下を反転して刃先を上に向けたものが「已」で「やめる」の意味となったのだろう。
【偉】康煕字典、当用漢字字体表、常用漢字は、旁の上から二本目の横線が右に飛び出している。文部省活字は康煕字典に倣っていない。
【囲】現在日本で使われている字体は江戸時代からの略字。
【委】横に伸ばしたい衝動を抑制して伸ばすのを一箇所にするのが漢字を格好良く書くコツ。この字の場合は「女」の横線なので「禾」の左右を払ってはならない。康煕字典は明朝体なのでやむをえないとしても、正字、文部省活字、教科書体のいずれも「禾」の左右を払っている。なんとかならないものだろうか。どれを伸ばしたらいいか迷ったときは、隷書の字形を参考にするとよい。
【威】金文では「女の上に横線はない。この横線がなぜ付いたのかわからない。
【尉】 手(又)に火のし(アイロン)を持っている、というのが字源解釈のほぼ一致した解釈であるが、説文よりも古い戦国古璽も睡虎地秦簡も右側は「又(手)」ではなく「寸」である。「又」に点がついて「寸」になったのではなく、もともと「寸」だったのである。
 「寸」は「手(又)」に「一」を加え、脈をはかる位置を示す、というのも字源解釈のほぼ一致した解釈であるが、「尉」が古くから「寸」を含む字であることからすると、「寸」の字源解釈が疑わしくおもえてくる。
 左側は「尸+二+火」であって「尸+示」ではない。隷書には「火」を「れっか」のように四つの点で書いている字体もある。「二+火」が「示」になり、「禾」のように解釈されたのである。北朝碑にも四つの点で書いている字体がある。
 説文の字体を明朝体にすると左側が康煕字典の古文、右側が「又」になるはずである。「慰」は康煕字典では「尉」の古文に「心」をつけたものが最初にあって、「慰」を同字としている。これは一貫性にかける扱いである。
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2007年05月14日

字体変遷・亜〜暗

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【亜】隷書には中央に横線がある。篆書にはない。隷書で突然横線が出現するのは不自然だから、始皇帝の文字統一よりも古い字に起源があるのではないか。とおもって探し出したのが金文の字体。文字統一以前には横線のある字体とない字体があったのだ。ところでこの横線はなんなのだろう。白川静によれば、「亞」は地下の墓室の形で、四隅がないのはそこに悪霊が潜むと考えられていたから、だという。とすればこの横線は棺であろう。
現在の日本で書かれている字体は、行書で書かれてきた字体で、遅くとも宋時代から使われている。
【哀】北朝碑と楷書では「口」の最終画が左に突き出ている。正字の例は見あたらない。最終画は払っても止めてもどちらでも良い。日本上代は一画多いめずらしい字体。
【愛】楷書では「心」の最終画と「夂」を繋げて書く。日本上代の字体を見ると、日本には正字が伝わったようだ。草書はなぜこのような字体になるのだろうか。江戸の崩し方を見るとわかったような気がする。
白川静によれば、「愛」は振り向く人の形に「心」を加えた会意字、だという。「後ろ髪引かれるような」というが、そのような心情を字にしたものだろうか。ロマンを感じる字である。
【悪】隷書では「亜」と同様に横線がある。睡虎地秦簡に横線のある字体を発見。居延漢簡にはくさかんむりがついたようなめずらしい字体がある。「悪」は正字と「西+心」の字体が両方書かれてきた。戦前の陸軍幼年学校の用事便覧には「西+心」の字体が明朝体で印刷されている。現在の字体はもともと行書で書かれてきた字体。
【握】 草書や行書ではほとんどの字に点が付く。この点は捨て筆、咎なし点、補空などと呼ばれる。正字がみあたらない。平安和様は手偏にも木偏にも見える。手偏と「木偏は異体字として通用する。
【圧】 「圧」は「壓」の略字。楷書と正字に使用例が見つからない。しばしば「厂」の上に点がつくことがある。また「土」に点がつくことがある。中国の簡体字は「圧」に点がついた字体。「土」に点がつくのは「士」と間違えないための記号であろう。
【扱】 中国での使用例が少ない。「及」は手書きすると三画なのに、康煕字典も漢和辞典でも四画。
手書きの字体を示しているはずの文部省活字だけ旁が四画になっている。 手書きでは書きにくいとおもうのだがどうだろう。
【安】「宀」の「点」と女は繋げて書くのが伝統的な書き方。
【暗】もとの字は闇。説文と康煕字典だけが「音」の一画目を横線にし、他はすべて(正字でさえも)点にしている。
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2006年10月11日

字体変遷表試案・甲骨から教育漢字まで

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以前の試作に、北朝の楷書、日本の上代金石、江戸古文書、文部省活字、当用漢字字体表、教科書体を追加した。

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2006年07月11日

字体差表(ページ3)

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「案」の正はナシ。「安」に従うとおもわれる。「木」は払うのか止めるのか気になるところ。
「以」はすきの形。後に字体が「?」「ム」「以」に分かれたという。
「位」のもとの字は「立」。通と正の違いなし。
「依」の通は「衣」の二画目と三画目がつながっている。
「偉」の正はないが、通は旁の縦線が傾いていない。二つめの横線が右に出ない。
「囲」は略字なので、この字体で篆書のフォントを作ることのないようにしてほしい。説文も通も正も中身の縦線は傾いていないのに、どうして康煕字典では傾いているのだろうか。通は「圍」に近く、正は「圍」に近い字体である。康煕字典には略字も載っている。
「委」の正は醜悪な字姿。「禾」を左右に払うのはやめようよ。左右に伸ばすのは一字に一箇所にしましょうよ。
「威」は通と正の違いはない。
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2006年07月09日

字体差表(ページ2)

 篆書は、石に彫るための書体であり字体である。隷書は篆書とほぼ同じ時代に文字を手書きするために生まれた書体であり字体である。筆記体としての隷書が楷書を生んだのであって、手書きするために工夫されてきた隷書を抜きにして楷書はありえない。
 唐の太宗の時代、楷書の字体の乱れを正そうという学者たちがよりどころとしたのが『説文解字』に例示された篆書である。学者たちは『説文解字』の篆書の字体を楷書にあてはめ、そうして作った楷書を「正(字)」とし、その他を「通(字)」、「俗(字)」とした。つまり、篆書の字体を(隷書を無視して)むりやり楷書にしたものが唐代の正字であり、後に篆書の字体をむりやり明朝体にしたものが清代の『康煕字典』である。したがって、『説文解字』の篆書の字体が間違えていれば、「正(字)」も間違えている。そういう意味で、正字とは為政者とその取り巻きの学者が決めた「正式な字体」であって、「正しい字体」ではない。
 正字は、科挙の試験には必須であったが、それは皇帝からの問いへの返事などの限られた用途にしか使われていない。
 本邦では明治以降、『康煕字典』の字体を印刷用字体(明朝体)に採用してきた。つまり書き文字としてはほとんど使われてこなかった字体を印刷用字体としたのである。一方、手書きには筆記体を使ってきた。印刷用字体はとても手書きできるような字体ではない。
 ところが、『当用漢字表』、『常用漢字』では、印刷用字体と筆記用字体の統合が図られ、略字などが採用された。これによって字体はかえって混乱したのである。
 私見では、少なくとも筆記には、伝統的な筆記体(通)を書く方が良いとおもう。筆記体は人間が書くために洗練されてきた字体だからだ。
 また、当用漢字や常用漢字の略字を、略字の字体のまま篆書、隷書、草書などのフォントを作らないでほしい。書体と字体はセットなのである。常用漢字を篆書にしたものは所詮、篆書ではなく、篆書風常用漢字である。
 当用漢字や常用漢字は手書きの楷書と印刷字体を定めたものなので、本来、篆書や隷書や行書や草書には及ばない。これらの書体は、当用漢字が制定される前の字体に従うべきである。

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「亜」の隷書は中に横線が入る。日本の常用漢字は行書の字体である。
「愛」の通は「心」の四画からつながる。
※『顔氏字様』を編んだ顔師古でさえ通を書いていることに注意。
「悪」は通・正どちらの字体も石碑に使われる。隷書は中に横線が入る。
「握」の行書と草書には点が付くことあり。
「圧」は略字。隷書と楷書は頭に点が付く。草書では土に点が付くことあり。
「扱」は隷書、通、行書に使用例がみあたらない。
「安」の通では「うかんむり」の点と「女」がつながる。隷書はつながるものと離れているものがある。
「暗」の旁の上部が正では点だが康煕字典では横線。白川静によれば、もとの字は「闇」だという。「闇」の「音」の一画目は、正では点だが、康煕字典では横線。

1ページ作るのに1日かかってしまった。
作り終えるのはいつになるだろう。
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