2018年12月22日

字体変遷字典 (【宀】実宗宙定宕宝)

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【実】「實」の草書からできた字体だろう。当用漢字表の発表の時点であったし、太宰も使っている字体だから、たぶん戦前から普通に使われていたのだろう。

【定】五経文字では止部に掲載されている。

【宝】「寶」「寳」は異体字。大徐にあるのは「寶」だが、実例のほとんどが「寳」だが、道因法師碑は「寶」。「宝」は中国では明代に、日本では江戸期に見られる。漢字要覧では「寳」が正体になっているが、漢字整理案では標準が「寶」になっている。
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2018年09月28日

字体変遷字典(【宀】宍宋宛官宜)

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【宍】「宍」と「肉」は異体字。「ニク」が音読みで「しし」が訓読み。常用漢字表の「肉」には音読みの「ニク」しか載っていない。説文では「にくづき」の形が載っている。干禄字書では「宍」は〈俗〉、「肉」が〈正〉。「宍」は現代中国では使わない字らしい。五経文字では「肉」が部首名として掲載。九経字様では「にくづき」が部首名として掲載。康煕字典には「宍」は宀部と「肉」の古文の両方にある。肉は肉部にあり、「にくづき」も肉部にある。

【宛】下に「心」がつく異体字がある。

【官】説文では𠂤部にある。

【宜】「=vは異体字。手書きでは「=vが書かれることが多い。大徐、段注ともに篆文の他に古文が2つあるが、古文2は大徐と段注で微妙な差がある。
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2018年08月24日

字体変遷字典(宇守宅完宏)

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【宇】大徐本と段注本の籀文の字体が異なる。説文の字体を楷書にすれば「𡧃」になるはず。康煕字典では「宇」と「㝢」は別に載っている。

【守】漱石は『坊っちやん』で「守」を「御留守」で2回、「留守」で1回の計3回使っているが、すべて草書で書いている。
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2018年08月20日

字体変遷字典・改訂(100-107ページ)

アップしわすれていたpdfです。
「協」と「叶」が異体字なのがわかります。(102ページ)

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字体変遷字典・212-213(【子】子孔字存孝)

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【孔】説文では乚部にある。
【存】後漢までは縦線が1本なかったようである。草書も縦線がない字体に倣っているようだ。
【孝】説文では老部にある。説文の序文に「轉注者、建類一首、同意相受、考・老是也」(転注は、類を建つること一首、同意相い受く。考・老これなり)とある。
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