2008年04月05日

異体字の世界―旧字・俗字・略字の漢字百科

小池和夫著

すごい本なんだけど、限られたページに詰め込みすぎだよ。たぶん元の原稿は3〜4倍あったんだろうな。
そういうわけで初心者には少々親切じゃないかもしれないけど、内容はすこぶる濃い。お得なので是非読んでいただきたい。これをネタ本にして事例と図版を入れ、もうちょっと詳しい解説を入れれば数冊の本ができるだろう。
アマゾンに「著者の主張がない」という批評があったが、主張などなくてよい。まずは実例をあげることだ。その中から読者が考えれば良い。

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欧文書体―その背景と使い方

小林章著

グラフィックデザイナー必読。
この本に書いてあることを知らずに欧文の組版をすると大変な恥をかくことになる。
たとえばこのブログのタイトル「tonan's blog」のnとsの間の記号は略式なので印刷で使ってはならない。「’」←こういう形のを使う。(このブログのタイトルはテキストで、欧文の「’」を使うと文字化けしちゃうんでごかんべん)
書物の名前、美術作品の名前、劇の題名、外国語はイタリックにする。
など知らないと恥をかく情報が満載。
「ユダヤ人はフーツラを嫌う」とか「国家を象徴する書体がある」などという噂が都市伝説であることにも言及している。
なぜ今までこういう本がなかったのだろう。

posted by トナン at 22:26| 埼玉 ????| Comment(2) | TrackBack(0) | おすすめの文字本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

組版原論―タイポグラフィと活字・写植・DTP

府川充男著。1996年に出版された伝説的な本。
著者によれば、
『組版原論』はそもそも『聚珍録』の「販促用パンフレットとして急遽制作されたものにすぎなかった」という。ところが販促すべき『聚珍録』が大幅に遅延したために、『組版原論』は一人歩きしてしまった。
のだという。
ここでカミングアウトするのだが、僕はクオーク・エクスプレスで、欧文と同じようにテキストボックスを作り、ジャスティファイされて字間が空くのをわずかにトラッキングをかけて詰める、ということをしていた。この本を読むまでクオーク・エクスプレスでベタ組みができなかった。テキストボックスの行長を文字サイズの整数倍にする、ということに気づかなかったのだ。
『組版原論』には組み見本に
莫迦な編輯者や無智なデザイナーと仕事をするくらいなら昼寝をしていた方がよい
という例文があるが、文字通り僕は「無智なデザイナー」だったのだ。この例文に反発する人もかなりいただろう。それもあってかこの本は「現象」にまでなった。当時、ネットで知り合った同業者と待ち合わせて「文字と組版を考える会」に行ったのだが、顔を知らない。そうしたら待ち合わせの相手が「じゃあ目印に『組版原論』を持ってます」って……そんな風だった。
この本が品切れになって久しいが、売れた本なので古書で簡単に手に入る。ただし価格は定価の3倍から4倍だが。まだ読んでいない人は図書館で借りてでも読んで欲しい。

posted by トナン at 17:55| 埼玉 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの文字本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月04日

聚珍録 圖説=近世・近代日本〈文字―印刷〉文化史(全3巻)第一篇 字體・第二篇 書體・第三篇 假名

府川充男撰輯 三省堂

府川充男さんが6年間、ほとんど毎日、国立国会図書館などに通って集めた、近世・近代日本印刷史、字体・書体・仮名研究の集大成。本書は活字の字体・書体・組版の研究から、現在のデジタルフォントの設計にまで示唆を与える3巻構成の大冊で、幕末から昭和期に至る日本の活字(漢字・仮名・約物類を含む)字体・組版の歴史を、三千点を超える豊富な図版をもって余すところなく論じた、この分野では初めての通史であり図鑑であって、近世・近代日本印刷史関係の定説を全面的に書き換えるものである。

10年間心待ちにしていた書籍である。
予価15万円と聞いていたが、発売された価格は4万5000円。これは助成金が使われているからだ。超おトクだ。
府川さんの名著『組版原論』は、在庫切れになって久しいが、今は古書として定価の3倍から4倍で取引されている。
この書物も在庫切れになった後はいくらの値がつくか。
在庫も少なくなっていると聞く。まだお持ちでない人は急いで買うべきだ。個人で買えない人は近所の図書館にリクエストしましょう。

posted by トナン at 20:33| 埼玉 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの文字本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする