すごい本なんだけど、限られたページに詰め込みすぎだよ。たぶん元の原稿は3〜4倍あったんだろうな。
そういうわけで初心者には少々親切じゃないかもしれないけど、内容はすこぶる濃い。お得なので是非読んでいただきたい。これをネタ本にして事例と図版を入れ、もうちょっと詳しい解説を入れれば数冊の本ができるだろう。
アマゾンに「著者の主張がない」という批評があったが、主張などなくてよい。まずは実例をあげることだ。その中から読者が考えれば良い。
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『組版原論』はそもそも『聚珍録』の「販促用パンフレットとして急遽制作されたものにすぎなかった」という。ところが販促すべき『聚珍録』が大幅に遅延したために、『組版原論』は一人歩きしてしまった。のだという。
莫迦な編輯者や無智なデザイナーと仕事をするくらいなら昼寝をしていた方がよいという例文があるが、文字通り僕は「無智なデザイナー」だったのだ。この例文に反発する人もかなりいただろう。それもあってかこの本は「現象」にまでなった。当時、ネットで知り合った同業者と待ち合わせて「文字と組版を考える会」に行ったのだが、顔を知らない。そうしたら待ち合わせの相手が「じゃあ目印に『組版原論』を持ってます」って……そんな風だった。