字体変遷字体・改定版(2-47ページ)

ただいま『字体変遷字典(仮)』を改訂作業中です。
改定作業が終わったものからpdfでアップします。

〈改定したところ〉
1)『説文解字』に掲載されている部首を入れた
2)説文の大徐本と段注本で異なる場合は両方掲載した
3)いままで「説文」と表記していたものを「大徐」「段注」と表記を分けた
4)『五経文字』『九経字様』に掲載されている部首を入れた
5)異なる字種かもしてない例を削除した

1807jitai2-15.pdf
1807jitai16-27.pdf
1807jitai28-39.pdf
1807jitai40-47.pdf

(2018.07.28 Hajime Okuma)
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2018年06月20日

文化庁『手書き文字の字形」と「印刷文字の字形」に関する指針』についての意見メモ

何年も前のことで、忘れちゃいそうなので、メモしておきます。

2015年1月18日
文化庁文化部国語課の武田康宏さんから、『「手書き文字の字形」と「印刷文字の字形」に関する指針』の作成について意見を聞きたい旨、メールをいただく。「指針の作成」というのは、常用漢字表の「(付)字体についての解説」の内容を,もっと分かりやすく説明したガイドを作ろうというものなのだという。

1月21日
武田さんが拙宅にいらっしゃる。下記に点についてお願いした。
◉いくら前文に「正しい字体は1つではないこと」を説明してもだめで、重要なのは「表」です。
◉表の「手書き文字の字形の例」が1つならそれだけが正解ということになってしまいます。
◉ですから、「手書き文字の字形の例」には複数の例を示してかならず「など」と入れて欲しい。

11月18日
『手書き文字の字形」と「印刷文字の字形」に関する指針(中間報告)』が届く。
それに対して次の意見を返信した。

151118tonan-shishin.pdf

以上です。
posted by トナン at 19:34| Comment(2) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

字体変遷字典 【子】字存孝孜学孟

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【存】後漢までは縦線が1本なかったようである。草書も縦線がない字体に倣っているようだ。

【孟】石門頌では「子」の説文古文と同じように左右に点がある。居延漢簡では「子」の横線が1本多いが、これは左右の点がつながったものかもしれない。

posted by トナン at 18:44| Comment(3) | 字体変遷字典(大熊肇試作) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

字体変遷字典 【女】嬢嬰嬬【子】子孔

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【嬢】異体字の「孃」は人名用漢字でJIS第二水準にある。『教育上より見たる明治の漢字』に「孃」の許用字として「娘」が載っている。現代中国では「娘」と「孃」が「娘」に統合されている。「娘」は甲骨にあるが人名として使われているにすぎず亡失したとおもわれる。「孃」は説文にあるが古代の字に見えない。漱石は略しすぎ。太宰の「孃」は「口」が二つ繋がっている。
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2017年11月28日

説文篆文の「大」と「天」はおかしい

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説文解字の親文字(説文篆文)の「大」と「天」は泰山刻石の「大」と「天」と字体が異なります。
説文解字は後漢に作られたもので、泰山刻石は秦の時代に作られたものだから、泰山刻石の方が正しいとおもわれます。
「大」をパーツに持つ文字「夫」「央」「立」「並」は説文篆文には合わず、泰山刻石と合います。
小篆では説文篆文には従わず、泰山刻石に従うことにします。

〈追記2017.11.28〉
説文篆文の「大」と「天」は「籀文」として掲載されるべき字体なのではないでしょうか。
posted by トナン at 18:59| Comment(0) | 文字あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

康煕字典の「吉」と「天」について

「吉」について、上の横線が長い「士吉(さむらいよし)」と、下の横線が長い「土吉「つちよし)」があるのはなぜか、ときかれると、いままで次のように説明してきた。

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「士吉(さむらいよし)」と「土吉「つちよし)」は同じ字種で、隷書や楷書などは「土吉「つちよし)」が多く、明朝体などの印刷用の文字は「士吉(さむらいよし)」なのです。その理由としては次の二つが考えられる。

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(1)世界初の漢字字典である『説文解字』の篆書の親文字(説文篆文)が、「士吉(さむらいよし)」なので、唐時代の正字体楷書は「士吉(さむらいよし)」にした。「正字体」というのは説文篆文に合致した字体のこと。『康煕字典』も『説文解字』の篆書に倣って「士吉(さむらいよし)」にした。『康煕字典』の親文字は明朝体で、印刷字体はそれに倣って「士吉(さむらいよし)」にした。

(2)隷書や楷書は「土吉「つちよし)」の方がバランスがとりやすく、格好がよいので「土吉「つちよし)」。明朝体は「士吉(さむらいよし)」の方が格好がよいので「士吉(さむらいよし)」にした。

では「天」はどうだろうか。

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ten.png

説文篆文の「天」に倣えば上の横線が短く、下の横線が長くなるはず。実際、唐時代の正字体は上の横線を短くしている。ところが『康煕字典』の親文字は説文篆文に従わず、上の横線を長く、下の横線を短くしている。

これでは「吉」の(1)のと同じ理由が使えない。もしかしたら「吉」も説文篆文に従ったのではなく単に明朝体には「士吉(さむらいよし)」の方が格好がよいからという理由で「士吉(さむらいよし)」にしたのかもしれない。

ところで「当用漢字表」や「当用漢字字体表」は印刷の字体と手書きの字体を統合したのだが、印刷の字体にも手書きの字体を採用した、と理解していたのだが、「吉」や「天」は印刷の字体を採用している。これはどうしてだろうか。
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2017年10月19日

字体変遷字典 【女】媛婿嫁嫌嫉嫡嬉

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【媛】2020年度から教育漢字になる。

【婿】「婿」「壻」「聟」は異体字。説文には「士部」に「壻」が載っており、その或体として「婿」が載っている。

【嫉】説文に人偏の異体字がある。

【嫡】五経文字は干禄字書の旁の点の角度を説文篆文に倣って修正したのだろう。康煕字典と当用漢字表は旁の点の角度が異なる。



〈参考にしている主な字典〉



【嬉】説文にないので、篆書では「娭」を書く。
posted by トナン at 23:52| Comment(0) | 字体変遷字典(大熊肇試作) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする