2016年07月26日

字体変遷字典:【土】塑填填塗塘塙墓境塾


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【填・填】JISの第一水準にあるのは「填」だが、2010年の新常用漢字に採用されたのは「填」。「填」は常用漢字の許容字体になっている。「填」は2010年以前は人名用漢字だった。
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2016年06月24日

小篆の「奈」

篆刻は通常、小篆か印篆で刻むのだが、「奈」という字は小篆にも印篆にも見えない。
『新書源』によれば、「奈」は前漢に出来た文字らしい。
『必携篆書印譜字典』を引くと「篆は柰に作る」とある。
小篆にはない形なので、「奈」のかわりに「柰」を使えということらしい。
「奈」と「柰」は異体字なのだろうか、別字なのだろうか。
小學堂」という文字検索サイトで「奈」の「異体字字典」を検索すると、『説文解字』は、表示されない。

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同じサイト内で「字形演變」を見ると、親文字として「祟」が表示され、説文の「示部」として「祟」の字体がある。
「包山楚簡」に「奈」の字体が見える。

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「小學堂」で「祟」の「異体字字典」を検索すると、説文の「示部」として「祟」が見える。

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「字形演變」では甲骨文までさかのぼって表示される。
《說文》「祟、神禍也。从示、从出。籀文祟从省」と説明がある。
「祟」は神の禍だという。

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「小學堂」で「柰」の「異体字字典」を検索すると、説文の「木部」として「柰」が載っている。

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「字形演變」では甲骨文まで表示される。
《說文》「柰、果也。从木、示聲」と説明がある。
「柰」は果実の形ということか。
以上をまとめると、説文によれば「祟」と「柰」はまったくの別字ということははっきりしているが、「奈」が「祟」の異体字なのか、「柰」の異体字なのかで説が分かれるようだ。
「小學堂」では、「奈」は「祟」の異体字で、「柰」は別字扱いしている。

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康煕字典』で「奈」を引くと「奈同柰詳木部柰字註」と説明がある。「奈は柰と同じ、詳しくは木部の柰字を註す」ということなので、今度は「柰」を引いてみると、長文の中に「俗作奈」とある。『康煕字典』では「奈」は「柰」の俗字であり、異体字という説をとっている。

さて、篆刻では「奈」、「柰」、「祟」のどれを刻んだらよいのだろうか? 

なお、篆刻では説文にその字がない場合は、側款(印の側面)にその旨を刻すのが通例になっている。「奈」が説文にない場合は、「説文無奈」または「奈説文所無」と刻す。それに続けて「奈」の字体を刻す場合は、「本當作奈」または「篆當作奈」と刻す。さらに「奈」の現在の字体を篆書風にして刻す場合は「奈从新體」とする。「从」は「従」だ。新体としてではなく「包山楚簡」に「奈」があったのを根拠に「奈」を刻す場合は、「包山楚簡有之 今从之」とする。

「柰」を刻す場合は、「説文無奈 本當作柰」とでもして、根拠を示す場合は続けて「今从康煕字典説」とでもするか。

「祟」を使う場合は、「説文無奈 本當作祟 今从小學堂説」とするか。
本来は字書の名前やサイトの名前より、その説を唱えている学者名を入れた方がよいのだが、仕方ない。

 
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2016年06月17日

字体変遷字典(【土】報塁塩塊塞)


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【塩】別体/許容は明治の漢字、國定教科書、陸軍にも掲載されている。

【塞】甲骨、金文には「土」がない。
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2016年06月12日

劉賢国印、賢徳


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劉賢国印

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賢徳
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2016年06月11日

大橋紫印


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大橋紫印
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2016年05月30日

恵子之印


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恵子之印
大きさは5分(約15mm)です。
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2016年05月20日

手動でベタ組みの調整をしてみる

手動でベタ組みの調整をしてみます。
金属活字の組版で、どのように調整していたかを追体験してみようという試みです。
なぜこんなことをするのかというと、アプリケーションの設定に役立つと考えたからです。

おかしなところがあったらご教示ください。

ではやってみましょう。
文字サイズは24級です。
24級で本文を組むことはまずないとおもいますが、小さいとわかりにくいので大きくしました。
それと24は8で割り切れるので都合がよいのです。
金属活字の組版の追体験といいながら、写真植字の単位の級というのもおかしいですが、ご勘弁。

1行の字数は28字にしました。
日本語の組版、特にベタ組みでもっとも大切なことは、行長を文字サイズの整数倍にすることです。
28字詰めの行長は、24級×28字=672歯=168mmです。
行間は二分八分です。
二分八分というのは活字のサイズの、2分の1と8分の1を足した幅です。
通分すると、8分の5です。
24級の8分の5ですから、行間は15歯、パーセント計算だと62.5%です。
行送りは、24+15で39歯になります。

級というのは文字サイズの単位の1つで、1級は1辺が4分の1mmのサイズです。
Qと書くこともあります、というか4分の1なのでQuarterのQをとったという話も聞きます。
ですから24級は、6mm四方のサイズということになります。
歯というのは、4分の1mmの距離や幅のことです。
写真植字機の歯車の歯が1つ動くと4分の1mm動いたそうです。

アプリケーションは、何でもよいのですが、InDesign cs6を使いました。
ccも入れてあるのですが、パソコンが古いので動きが重たいのです。

基本のベタ組み

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【段落パレット】で、〈左揃え〉〈禁則を使用しない〉〈行末約物半角〉にします。

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【文字パレット】で、字間を〈ベタ〉にします。

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まったくのベタ組みです。
ここに必要なアキを手動で挿入していきます。

必要なアキを入れたベタ組み

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1行目にアキを入れました。
始め括弧の前、終わり括弧の後、読点の後に半角(二分)のアキを入れました。
「半角(二分)」というのは活字サイズの半分の幅のことです。
ついでに説明しますと、「四分」は4分の1の幅、「八分」は8分の1の幅です。
金属活字の本文用の活字に八分の込め物があったのかどうかは、確認していません。
「、」と「「」が続いたときは半角(二分)のアキを2つ(つまり全角)入れるとアキすぎるので、半角(二分)アキにします。

段落の最初に字下げをすることを、小学校で教わったと思いますが、字下げは新しい段落がはじまった印です。
字下げをしない組版もあります。
また、最初の段落は字下げをせず、2回目以降の段落のみ字下げをすることもあります。
字下げは新しい段落がはじまった印ですから、最初の段落は字下げをしなくてもよいという考え方です。

段落の先頭を字下げをすることに決めたとして、段落先頭が括弧だった場合は次の3種類の組み方があります。

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1つめは、半角(2分)下げて字下げと括弧で全角分とします。この場合は、折り返し行頭(段落先頭でない行頭)は半角の括弧を行頭に揃えます。
2つめは、全角下げる組み方です。
3つめは、全角半下げる組み方です。この場合は、折り返し行頭は半角下げにします。あくまでも字下げと括弧を足して全角の整数倍にするのです。

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2行目にアキを入れました。
「Alphabet」と「が」の間は四分アキにしました。

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3行目にアキを入れました。
「DTP」と「組」の間のアキは八分にしました。
「DTP組版」が1つの熟語だから、アキは狭くします。

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4行目にアキを入れました。
「=」の前後にはアキを入れずベタにしました。

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5行目にアキを入れました。

スクリーンショット 2016-05-24 3.43.12.png

6行目にアキを入れました。
「・」の前後には四分のアキを入れます。

スクリーンショット 2016-05-24 3.43.22.png>

7行目にアキを入れました。

スクリーンショット 2016-05-24 3.43.46.png

必要なアキを入れたベタ組みです。
行末が揃っていない行があります。
また、行頭に「、」がある行があります。
これを調整していきます。

行の調整には大きく分けて「延ばし処理」と「詰め処理」があります。

延ばし処理

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2行目に八分のアキを仮名の左右にだけ6箇所に入れました。
漢字と漢字の間にアキを入れると目立つので入れません。
漢字と漢字はもともとがくっついて見えるので、アキを入れると目立つのです。
仮名はもともと空いて見えるので、さらに空けても目立ちにくいのです。
読点の後にはすでに充分なアキがあるので、延ばし処理には使いません。
Alphabetにも延ばし処理はしません。
DTP組版では行全体に少しずつアキを入れることができますが、漢字と漢字、句読点の後、括弧類の前後、Alphabetには延ばし処理をしないように設定します。

1行目はうまく収まっているので、処理しません。
とはいうものの、行末の読点が半角になっていますので、もし、行末の約物を全角に統一するルールならば、調整しなければなりません。

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3行目に八分のアキを仮名の左右にだけ6箇所に入れました。

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4行目は八分アキを4箇所に入れました。

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5行目は収まっているのですが、6行目の行頭に読点があるので、5行目の行末の「は」を6行目に追い出すために、八分アキを8箇所に入れます。
もし、句読点のぶら下がり有りの組版だったら、読点は5行目にぶら下がっているので、この作業は必要ありません。
「ぶら下がり」というのは、版面の行の末尾で句読点をほかの文字よりもはみ出させる組みかたをいいます。

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6行目と7行目はうまく収まるので、これで延ばし処理の完成です。

詰め処理

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必要なアキを入れたベタ組みです。
行末が揃っていない行があります。
また、行頭に「、」がある行があります。
これを詰め処理で調整していきます。

スクリーンショット 2016-05-24 3.45.28.png

2行目の詰め処理。
青い色をつけたところ2箇所が、詰め処理をしたところです。
読点の後ろが二分アキだったところを八分詰めて、8分の3アキにしています。

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3行目も、読点の後ろ2箇所、二分アキだったところを八分詰めて、8分の3アキにしています。

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4行目は収まっています。
5行目の行頭の半角のアキを取り、6行目の行頭の「め」を追い込みます。

詰め処理の破綻

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7行目の行頭禁則を回避するため、6行目の詰め処理をしますが、禁則を回避することができませんでした。

詰め処理の破綻➡延ばし処理に変更

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詰め処理を諦め、6行目を詰め処理して行末の「(」を追い出します。
八分のアキを8箇所に入れました。

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詰め処理だけでは調整できず、延ばし処理を行ったので、「詰め優先処理」の完成ということになります。
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2016年03月26日

字体変遷字典(【土】塚堤堵塔塀)


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【塚】元々は「木偏」「土偏」のない字だったらしい。

【堤】干禄字書では「隄」を〈正〉、「堤」を〈俗〉とする。明治の漢字では「隄」を〈正〉、「堤」を〈許容〉とするが、陸軍では反対に「堤」を〈正〉、「隄」を〈通〉とする。

【堵】JIS2004で例示字体が「堵」から「堵」に変更された。

【塀】国字とする字書と、国字としない字書がある。
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2016年03月20日

字体変遷字典(【土】堅堺場堕)


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【堅】なぜか康煕字典の土部の8画に集録されている。どう数えても9画なのに。
【堺】「堺」「界」「畍」は元々は異体字。江戸期には「堺」「堺目」と「世界」「天界」のような使い分けがある。
【場】干禄字書に3例、五経文字に2例、合計で5つの字体があるが、音の違いが説明されているだけで、どれが正字体かわからない。
【堕】説文では「阜」部にある字。
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